総予測2024#25Photo:PIXTA

衝撃的なことに、額面収入が同じ場合、手取り年収はこの20年余りで大きく減少している。税金と社会保険料が増加したからだ。会社員が取り得る対策はあるのか。特集『総予測2024』の本稿では「手取りウォッチャーFP」として活躍するファイナンシャルプランナーの深田晶恵氏に「手取り激減時代の生活防衛術」を聞いた。(聞き手/ダイヤモンド編集部 篭島裕亮)

額面収入が増加した分だけ
手取りが増えるわけではない

 インフレや堅調な企業業績を背景に、2024年度の春闘では大幅な賃金アップが期待されている。インフレ上昇分を上回る賃上げは難しくても、賃上げに前向きな姿勢への変化をポジティブに感じている人も多いかもしれない。

深田晶恵・ファイナンシャルプランナー(CFP)、生活設計塾クルー取締役ふかた・あきえ/特定の金融機関に属さない独立系FPとして個人向けコンサルティングを行うほか、メディアや講演を通じて「買い手寄り」の情報を発信。

 だが、注意してほしいのは「額面収入」の増加分と同じだけ「手取り収入」が増えるわけではないことである。

 念のために説明しておくと、額面収入とは勤務先から支払われる総支給額のことである。一方、手取り収入は額面収入から税金(所得税・住民税)と社会保険料(厚生年金・健康保険等の保険料)を差し引き、手元に残った実際に使える収入のことである。

 そして衝撃的なことに、額面年収が同じであっても、手取り年収はこの20年余りで大きく減少しているのだ。

「手取り激減時代」に取り得る対策術とは?深田氏が会社員でも実践できる具体的な対策術を紹介する。