総予測2024#68Photo by Ryo Horiuchi

作業員の高齢化や人手不足、長時間労働の「三重苦」にあえぐ建設業界に「2024年問題」が追い打ちをかけ、「物言う株主(アクティビスト)」も揺さぶりをかける。ゼネコン各社は生き残りをかけて合従連衡を進める可能性が高い。特集『総予測2024』の本稿では、建設業界の再編の行方、そしてその主役を演じるプレーヤーの実名を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 堀内 亮)

アクティビストの圧力を口火に
業界再編が加速

 働き方改革に伴う残業時間の上限規制が2024年4月から適用され、いわゆる「2024年問題」が差し迫る建設業界。人手不足と労務費の高騰が深刻化する2024年問題への対処が喫緊の課題ではあるが、ゼネコン各社にはもう一つ、大きな火種がある。

 それが、「物言う株主(アクティビスト)」である。アクティビストはとりわけ「PBR(株価純資産倍率)1倍割れ」のゼネコンをターゲットにして株式を買い増し、大林組や清水建設、戸田建設などで大株主に躍り出ている。

 アクティビストからの圧力を口火として、24年は建設業界の再編が加速しそうだ。この業界再編の“主役”を演じるのは、異業種プレーヤーである。

次ページでは、領空侵犯を虎視眈々と狙う異業種プレーヤー、そして業界再編のターゲットとなり得る企業の実名を明らかにする。最注目は飛ぶ鳥を落とす勢いで急成長を続ける「あの企業」である。