「配属ガチャ」の実態をデータで検証、若手は希望が通らないと本当にすぐ辞めてしまうのか?入社後に新入社員の配属はどのように行われているのか。「配属ガチャ」の実態に迫る(写真はイメージです) Photo:PIXTA

24年卒の新社会人が新たな生活のスタートを切った今、入社後の配属状況はどうなっているのだろう。就職・採用に関する調査、分析を行うリクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第17回。今回は、2024年卒業の大学生の配属に関する調査結果から、現状を見ていきたい。

配属先を入社までに知っておきたい学生と
企業が配属先を確定させる時期に乖離あり!?

 ここ数年、新入社員から、入社直後の今の時期に”配属ガチャ”という言葉がよく聞かれるようになっています。希望通りの配属にならないことを「配属ガチャに遭った」などと表現されることもあり、入社後の配属先が不透明なことに対して就職活動をする学生の不安感が高まっているように感じています。

 では実際に、入社後の配属先の確定はどのタイミングで、どのように行われているのでしょうか。当研究所では、2024年卒学生を対象に3月卒業時点での「入社後の配属に関する状況」を調査しました。調査によると、3月卒業時点で入社後の配属先が確定していると回答した大学生(就職確定者)は、46.9%。半数を超える53.1%が、確定していないと答えています。

 配属先確定時期を聞くと、「入社後」が31.4%で最も高く、「入社を決めた後~入社前まで」が29.8%と続いています。一方、学生が希望する配属先確定時期は、「入社を決めた後~入社前まで」が33.8%で最も高くなっています。配属先確定時期と学生が希望する確定時期とのギャップを見ると、その差が大きいのは「入社後」で23.5ポイント(配属先確定時期31.4%、学生が希望する確定時期7.9%)、次いで「内々定・内々定取得後~入社を決める前まで」で9.4ポイント(配属先確定時期2.4%、学生が希望する確定時期11.8%)、「内々定・内定取得時」で7.9ポイント(配属先確定時期2.1%、学生が希望する確定時期10.0%)、と続きます。入社前までには知っておきたい学生側と、実際に確定する時期との間に乖離があることが読み取れます。