「いわゆる町の葬儀屋さんです」

そう語り始めたのは、東京都練馬区で長く葬祭業を営む「まきの」の牧野昌克代表取締役社長だ。

1967年に創業。家族経営の小さな会社から始まった「まきの」は、練馬区を中心とする地域密着型の葬儀社として、「心のこもったセレモニー」を顧客に提供してきた。

“決め手”は新卒者と採用担当者の関係性づくり 少子化の時代に安定採用を実現できる中堅・中小企業とは?まきの
牧野昌克
代表取締役社長

入社4、5年目の社員を
採用担当者に抜てき

家族経営から本格的な脱皮を図ったのは、2012年のこと。

「それまでも中途採用で少しずつ人材を増やし、事業規模を広げてきましたが、この年から新卒採用を始めたのです」と牧野社長は説明する。

中途でも人材は確保できるが、プロパー社員を採用・育成し企業文化をしっかり受け継いでもらうことで「持続可能な経営を目指したい」と考えたとのこと。

当時すでに少子化の影響は表れており、葬祭業という、一般にはなじみの薄い業種のハンディもあったが、1年目には2人の新卒社員を採用できた。

ところが、3年以内には2人とも辞めてしまった。

「初めての新卒なので、現場の先輩社員たちもどう接していいのか分からず、時にむちゃな仕事を押し付け、プレッシャーを与えてしまったようです。採用するだけでなく、いかに定着させるかが大事だと気付きました」と牧野社長は振り返る。

そこで「まきの」は、長年経営コンサルティングを受けている武蔵野に相談。同社の新卒採用支援サービス「Kimete(R)(キメテ)」を利用することにした。