「Kimete」は、日本経営品質賞を2度も受賞した武蔵野が、その経験やノウハウを丸ごと伝授する形で新卒採用を支援するサービスだ。

合同説明会での学生の集め方や、選考方法、内定者フォローの仕方など、武蔵野が体験した数多くの “成功”と“失敗”を基に、ベストチューニング(最適化)された採用活動の技術を提供する。

だが、牧野社長は「ノウハウもさることながら、『新卒者と採用担当者の関係性づくりを大切にする』という武蔵野の考え方に共感して、サービスの利用を決めました」と明かす。

さまざまな施策を駆使すれば、何とか人を採ることはできる。だが、新卒社員に「ここで働き続けたい」と思ってもらうには、先輩社員たちとの良好な関係性が欠かせないと考えたからだ。

その仕掛けづくりとして、「まきの」は入社4、5年目の若手社員の中から、優秀な人材を選んで採用担当者に抜てき。新卒採用を任せることにした。

一般に採用担当者は、経験を積んだ30~40代の中堅社員を任命することが多いが、あえて“すぐ上”の若手に任せることで、コミュニケーションの垣根を取り払ったのだ。

これも、武蔵野が自社の採用活動で実践していることを、そのまま取り入れたものである。

“決め手”は新卒者と採用担当者の関係性づくり 少子化の時代に安定採用を実現できる中堅・中小企業とは?武蔵野
小嶺 淳
Kimete COO事業執行責任者

「年齢の近い採用担当者なら、気持ちが通じ合うので何でも話しやすく、悩みも気軽に相談できます。新卒社員が辞めたいと思うきっかけは、会社や先輩に対するささいな誤解や行き違いだったりするものですが、そんなちょっとしたボタンの掛け違いを正せるのです」と語るのは、武蔵野で「Kimete」事業を統括する小嶺淳・Kimete COO事業執行責任者である。

小嶺COOによると、若手を採用担当者として抜てきすることは、その担当者自身の育成・成長にもつながるという。

「会社の成長を担う人材の採用は、本来であれば社長が自ら行うべきもの。それを社長に代わって行うということは、どれだけ自分が期待されているのか、その期待にどう応えるべきなのかを考える機会をもたらします。社長の思いや考えを自分なりに解釈し、伝えようとするので、若手を中心に企業文化を浸透させやすくなるという効果も期待できます」(小嶺COO)