倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#34Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#34では、第11弾として、茨城県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

茨城県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
常陽銀行、筑波銀行が倒産させた企業は何社?

 茨城県内で最大の金融機関といえば、常陽銀行である。同行は、地方銀行業界の総本山、全国地方銀行協会の会長を出している有力地銀だ。

 地銀協の会長は、常陽銀行、横浜銀行、静岡銀行、千葉銀行、福岡銀行の頭取が1年ごとに務める。現在の会長は福岡銀行の五島久頭取だが、6月に常陽銀行の秋野哲也頭取にバトンタッチする。

 折しも日本銀行が、マイナス金利政策の解除を決定したばかりというタイミングになる。利上げに踏み切るのは実に17年ぶりである。

 金利のある世界が復活する歴史的なターニングポイントだが、業績不振にあえぐ企業にとっては大きな逆風だ。こうした企業を支える全国の地銀は当然、対応を迫られることになる。次期地銀協会長となる秋野氏が、その見識や情報発信力が問われることになるのは必至だ――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなることは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第11弾の今回は、茨城県の金融機関を取り上げる。めぶきフィナンシャルグループ傘下の常陽銀行、筑波銀行のほか、水戸信用金庫などの信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の茨城県の結果を確認していこう。