倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング#32Photo:amtitus/gettyimages

メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか?ダイヤモンド編集部の独自調査を初公開。特集『倒産危険度ランキング2024&初公開!企業を倒産させた金融機関ランキング』の#32では、第9弾として、山形県の金融機関を取り上げる。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

山形県でメイン先企業を最も倒産させてきた銀行は?
山形銀行、きらやか銀行が倒産させた企業は何社?

 2023年9月、山形県内の金融機関に大きな動きがあった。じもとホールディングス傘下のきらやか銀行に180億円の公的資金が注入されたのだ。同行への公的資金の注入は3度目となる。

 既存の公的資金200億円の返済期限を24年秋に控えるきらやか銀行は、同年12月にSBI地銀ホールディングス(HD)を引受先とする第三者割当増資を実施した。

 SBI地銀HDを傘下に持つSBIホールディングスは、島根銀行や福島銀行など全国の地方銀行と出資などを通じて連携している。増資により、SBIの議決権ベースでのきらやか銀行への出資比率は約34%に上昇した。

 SBIが資本提携する地銀の中で、最も高い比率となった同行を立て直せるかどうか。SBIの地銀経営の真価が、今後試されることになる――。

 経営危機に陥った企業が倒産するのか、それともしないのか。その際に重要な鍵を握るのがメインバンクとなる。

 メインバンクとは通常、貸出金のシェアが首位で、当該企業と長年にわたって親密な関係にある銀行のことを指す。ただ、企業側と銀行側で認識が異なっているケースもある。

 今後、倒産件数の増加と金融機関の融資姿勢が厳しくなるのは必至とみられているが、どの銀行が今後、企業に厳しく臨むのか。それを知るには過去に注目するとよい。その銀行の将来の行動を最もよく表しているのは、口先のきれい事ではなく過去の行動なのだから。

 メガバンクに地方銀行、第二地方銀行、信用金庫に信用組合――。全国472金融機関が、これまでどれだけメインの融資先企業を倒産させてきたのか。ダイヤモンド編集部が独自に調査し、その結果をまとめた「企業を倒産させた金融機関ランキング」を初公開する。

 第9弾の今回は、山形県の金融機関を取り上げる。山形銀行やきらやか銀行、フィデアホールディングス傘下の荘内銀行のほか、山形信用金庫などの信用金庫も名を連ねた。

 ちなみに「企業を倒産させた社数が多い都道府県ランキング」は、下表の通りだ。地銀や信金、信組など主な金融機関の内訳も明記したので、ご覧いただきたい。

*「メインバンクとして倒産させた社数の合計」は2020年1月~23年11月の合計値で、ダイヤモンド編集部調べによる推計。負債総額1000万円以上、法的整理による倒産が対象。都道府県別の倒産社数の合計は、金融機関の本店所在地ベースで数えた。例えば、東京都に本社を置く企業が倒産してもメインバンクが埼玉県の銀行なら、埼玉県の倒産社数としてカウントしている。主な金融機関の内訳で省略した都市銀行は、東京都が3行、大阪府が1行。政府系金融機関二つと信託銀行1行、その他金融機関(旧長期信用銀行)2行は、いずれも東京都

 ランキングは、これから数十回にわたって配信していく。全都道府県と全金融業態を網羅した完全版を含めて、さまざまな視点でお届けする予定だ。それでは早速、今回の山形県の結果を確認していこう。