どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#22Photo:JIJI

重電国内首位の日立製作所は2010年代以降、年齢ではなく、実力によって社員の処遇を決める制度の導入を進めている。日立の中で年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#22では、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算。現役世代では氷河期が劣位に立たされたが、それでは勝ち組となったのは35歳か。それとも55歳か。OBは得をしたのか。(ダイヤモンド編集部編集委員 清水理裕)

就職氷河期世代はやっぱり不遇
現役世代の勝ち組は35歳?55歳?

 電機業界は、脱・年功序列の人事制度改革が進んだおかげで、役職定年制度が不要になり、廃止した企業が多い。

 重電国内首位の日立製作所にも、かつて役職定年制は存在した。50歳以上で担当者クラスや課長級程度だった社員は、グループ会社への出向や、55歳程度で日立本体にいながら役職定年といったルートをたどり、大幅な賃金カットに見舞われてきた。

 だが、2010年代に役職定年制は廃止。シニア社員が一定の年齢になると役職を外され、年収が激減するという憂き目に遭うことはなくなった。このほか、日立は23年3月期には、職務内容で賃金が決まるジョブ型の人事制度を本格導入している。

 そんな日立の中で、年齢別に年収を比べた場合、団塊・バブル期・就職氷河期・ゆとり世代のうち、どの世代が恵まれていたか?ダイヤモンド編集部は、20年間を10年刻みにして、5世代の年収と主要64社内のランクの推移を初試算した。

 2000年代から現在までの、20代、30代、40代、50代といった現役世代から、60代と70代のOB世代までが対象。「それぞれの世代はこの20年で給料を幾らもらっていたのか」「その会社の中ではどの世代が得をしたのか」「日本企業の中での序列は高かったのか」が、残酷なまでに浮き上がる47項目のデータとなっている。

 試算の結果、日立は氷河期世代の社員がやっぱり不遇であることが判明したが、現役世代の勝ち組は35歳か55歳か。また、専門家による5年後の予測年収の試算も掲載した。次ページで確認しよう。