どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年#3Photo:PIXTA

リストラが活発化する中、構造改革の次の手として日系製薬が進めているのが、職務や能力による給与差が大きく、降格人事もあるグローバル標準の人事評価制度への移行だ。先行する武田薬品工業、アステラス製薬に続き、今年に入り大手製薬のトップが次々と制度改革を明言。特集『どの世代が損をしたか?氷河期部長&課長の憂鬱 出世・給料・役職定年』の#3では、アステラス関係者への取材により、同社が22年から導入した世界標準の待遇と社内格差を公開。40代で年収が倍増し3500万円前後になったケースがある一方で、ポスト数がグッと絞られた職位も。さらに、かつて高給として知られたMRの待遇も激しく揺れている。(ダイヤモンド編集部 野村聖子)

リストラの次に製薬エリートを待ち構える
“世界標準”の待遇と社内格差

 外資、大手だけでなく、中堅に至るまでリストラの嵐が吹き荒れる製薬業界。人的整理と同時に、現在進行形で日系の製薬が進めようとしているのが、職級による給与の傾斜が少なく、基本的に降格がない日本型モデルから、職級、そして能力や成果による給与差が大きく、降格人事もあるグローバル標準の人事評価制度への改革である。

 リストラの次に製薬エリートたちを待ち受ける人事制度改革の中身はどのようなものなのか。そもそも、なぜ今製薬業界全体が制度改革に迫られているのか。今回、アステラス関係者らへの取材により、同社の人事制度改革前後で部課長クラスの給与がどれだけ変化したのかが判明。40代でも最速で昇進していれば、年収倍増の3500万円前後になった職位もあった。

 笑った者は誰か。一方冷や飯を食わされることになったのは――。次ページでは、“グローバル標準”なるものがもたらした残酷な社内格差を実際のポスト名と年収額で伝える。さらに、部課長ポストが「ある割合」まで削減されるという見立て、廃止となったはずの役職定年が実質残存の中身など、アステラスの人事制度改革の実態について詳報する。

図版サンプル次ページでは、マネジメント層の役職、年齢層、年収額が見られます!