近藤  そのときに銀行も全部引いていった。ひどい状態で最悪です。ただ、僕が落ち込んでるときに、社員が誰も辞めなかったんですよ。社員は100人以上いましたけど、一緒に戦うと。

井上 それはいい話ですね。

近藤 そのときに思ったんですよね。僕はやっぱりビジネスモデルも大事だけども、それをやる人が輝いてる会社であるべきだと。この仲間とだったら僕はもう一回頑張れるんじゃないかと思って、でも金策が必要だったので、考えたのが、北尾(吉孝)さん(現SBIホールディングス会長兼社長)に会いにいくことだったんですね。

 何もしなかったら半年後に倒産レベルだったので。売り上げも利益も出てるから上場申請を通ってるんですけど。銀行が全面撤退したら、やっぱり終わるわけですよ。黒字倒産です。キャッシュがなくて。

北尾吉孝が放った格言
「意味がわからなかった」

井上 北尾さんとは面識があったのですか。

近藤 ないです。でも、15分だけ時間をくれたんですね。上場取り消しで騒がれていましたからね。

 15分間、プレゼンしたときに、北尾さんが僕に言った名台詞があって、「近藤君、君の目は輝いてる。いつまでも青きロマンチストであれ」と。ちょっと意味がわかんなかったんすけど(笑)

井上 (笑)

近藤 それで30億円ポンと出してくれたんですよ。そのおかげで2002年3月6日、要するに2年後にナスダック・ジャパンに上場し、そのまた2年後、これは神様がくれたご褒美だなと思うんですけど、2004年11月11日に東証一部に上場することができた。僕の誕生日は11月1日なんですね。だから、1が8つ並んだ。11月1日、11月11日1部上場と。