ジブリパークの新料金、「ディズニー並み」7800円でも高くない!価格戦略のプロが断言するワケPhoto:JIJI

ジブリパークの新エリア開園に伴う料金プラン改定が話題になっている。刷新後のチケット代は「最大7800円」となるほか、アトラクションの利用料が別途発生する。これに対して、インターネット上などでは「高すぎる」「ディズニーランド並みのお金がかかる」といった批判が殺到。愛知県知事の大村秀章氏が、SNSの「X」(旧Twitter)で「『県の施設だから、もっと安くしろ』という意見・考え方は(中略)受け入れることはできません」と反論する事態に発展した。今回の料金プラン改定に妥当性はあるのか。価格戦略のプロが考察する。(プライシングスタジオ代表取締役 高橋嘉尋)

「ジブリパーク」の新料金は
本当に「高すぎる」のか!?

 スタジオジブリ作品の世界を表現した「ジブリパーク」の新料金は高すぎるのか――。

 ジブリパークは、愛知県長久手市の「愛・地球博記念公園(モリコロパーク)」内に2022年11月にオープンしたテーマパークだ。

 開園当初のジブリパークは、「千と千尋の神隠し」などの名シーンを体験できる「ジブリの大倉庫」、「耳をすませば」「猫の恩返し」を題材とした「青春の丘」、「となりのトトロ」の世界を楽しめる「どんどこ森」の3エリアで構成されていた。

 それに加えて、「もののけ姫」の舞台をイメージした「もののけの里」(2023年11月)、「魔女の宅急便」「ハウルの動く城」の街を再現した「魔女の谷」(2024年3月)が相次いでオープン。現時点では合計で5つのエリアが設けられている。

 自分の足で歩いて、スタジオジブリ作品の世界を体感できるのは大きな魅力だ。しかし、「魔女の谷」の開園に伴って刷新された料金体系が、一般消費者の中で物議を呼んでいる。最大で7800円となるチケット代が「高すぎる」というのだ。

ジブリパークの新料金、「ディズニー並み」7800円でも高くない!価格戦略のプロが断言するワケジブリパークの新たな料金体系(プライシングスタジオ作成)

 この点について、筆者が一般消費者の支払い意欲を調査・分析したところ、ジブリパークのチケット代は必ずしも「高すぎる」というわけではなさそうだった。一体どういうことか。次ページ以降で詳しく解説する。