「低空経済」が発展している地域はどこ?

 現在、「低空経済」のレベルが高い地方はどこか。

 中国メディアの報道によると、深セン、広州が最も発達した都市とされている。低空経済関連企業はいずれも4000社を超えている。

 一方、中国の北の地域にはドローン産業の集積地域が少なく、企業の生産コストが比較的高く、発展が遅れているという(3月8日付の「新京報」)。

 前出の「財富師21」によると、深センは「低空経済」が発達している都市になる可能性が最も高い。深センは「ドローンの都」と呼ばれ、DJI(大疆創新科技有限公司)、豊翼科技、Autel Robotics(深セン市道通智能航空技術)、科衛泰など産業チェーンの先頭に立つ企業が集まっている。特にDJIは、民間用ドローンの世界トップ企業だ。深センの消費者向けドローンは、世界の約70%、産業用ドローンは世界の約50%の市場シェアを占めている。ヘリコプターの飛行数は2万回を超え、飛行規模は全国をリードしている。

 また、深センの低空経済の2023年の年間生産額は、900億元を超え、前年比20%増となった。深センでは、2023年に無人機航路が77路線新たに開通、無人機発着拠点も73カ所新設され、無人貨物機の飛行数は60万回で、飛行規模は全国1位となった。さらに24年1月、深センは、全国初の「低空経済」地方立法である「深セン経済特区低空経済産業促進条例」を制定した。このようなことから、深センが、低空経済発展の面で先見性があることがうかがえる。

 さらに、現在、深センと広州は、すでに初歩的な規模のドローン生産チェーンを形成しており、「低空経済」発展の“中心地”になりつつある。

 杭州も「低空経済」に力を入れている地域の一つだ。同地は人工知能(AI)、ビッグデータ関連産業が発展しており、「低空経済」発展の技術面・人材面の基盤が備わっている。2020年10月には、民用無人操縦航空試験区に選ばれ、無人機の都市での応用シーンの商業化を模索した。

「低空経済」の発展にはイノベーションが欠かせない。杭州はイノベーション振興政策を打ち出し、「低空経済」発展の政策的基盤をさらに強化した。今後、先進的製造業が盛んになり、「低空経済」が発展していくとみられる。