2024年「中学受験」直前! わが子が成長する中高一貫校&塾#22Photo:PIXTA

憧れの志望校合格に向けて、保護者と二人三脚で取り組む子どもは多いだろう。だが、間違った対策で点数を取れないケースが散見されるのも事実だ。特集『わが子が成長する 中高一貫校&塾』(全34回)の#22では、無駄を省き偏差値10アップも狙える残り3カ月のスケジュールの組み方について、すご腕のプロ家庭教師に聞いた。(ダイヤモンド編集部 大根田康介)

「週刊ダイヤモンド」2023年10月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

ひたすら大量の問題を
解かせても成績は伸びない

 中学受験は少しスケジュールの組み方や過去問題の対策を変えるだけで、「偏差値10ポイントはひっくり返せる」と、プロ家庭教師集団「名門指導会」の西村則康代表は話す。

 実は多くの親子が、「10月に過去問題を解き、11月に応用問題に取り組む」といったタスク管理型で受験に臨もうとするが、それだけでは点数を取れない。なぜなら、問題に向き合うプロセスが管理されていないからだ。

 受験まで残り3カ月強は、「読む」「書く」「考える」といったプロセスをしっかり身に付けることが重要となる。大量の問題をひたすら解かせても成績は伸びない。

 しかも、タスク管理すら完璧ではないケースも多い。特に力を入れがちなのが弱点対策だが、中堅校を受ける場合、弱点を抱えている子はたくさんいる。だから弱点対策は当然必要だが、それだけに注力しても成績は伸びない。学力を付けながら「得点力」を上げないといけないからだ。学力を上げれば自然と得点力も上がる、というわけではない。

 例えば、塾の合否判定テストでは間違えたが、家に持ち帰り改めて解き直すと簡単に正解を導き出せることがよくある。そんな子が多いのは、早く答案用紙を埋めようと焦ってしまうからだ。

 テストのときに「これで本当に正しいのか?」と、もう一度確認する習慣を、子どもが中学受験で身に付けるのは難しい。だが、そうしたものが積み上がって初めて得点力が上がる。だからこそ、併走者の力量が試されるのだ。

 次ページでは、残り3カ月強で偏差値10ポイントアップを目指すためには、スケジュールをどう組み、過去問題にどう向き合って得点力を上げていけばいいのか。具体的な方法を披露する。また特別付録として、社会担当の馬屋原吉博氏(中学受験 個別指導のSS-1)と理科担当の辻義夫氏(名門指導会)の2名が作成した、中学受験で注目される今年の時事問題の一覧表を掲載する。