レーシングファクトリーがチューンした日産の硬派なセダン「スカイライン NISMO」をあえて選ぶ理由とは
*本記事はMEN’S EX ONLINEからの転載です。

運転好きにはもってこいのスポーツセダン

 現行(V37)型スカイラインのデビューはなんと2014年2月のことだった。すでにまる10年が経った。SUVブームはすでに始まっていたし、なんならV37よりひと世代前のV36時代からすでにスカイライン クロスオーバーをリリースしていて、4ドアセダン時代の終焉を自ら予想していたわけだけれど、結局、V37はセダン(とアメリカではクーペも)のまま10年も作り続けることに。今、改めて周りを見渡せばSUVはブームどころではなく昔のセダン級にフツウの選択肢となって、セダンの方がレアというかこだわりの選択肢、スペシャルティモデルのように見える。そういう意味ではV37スカイラインも、世間の2周遅れくらいになった結果なんとなく先頭を切っているような、かえって新鮮な雰囲気に見えてきた。今、スカイラインとレクサス ISはクールだ。

 肝心のクルマの方も年を重ねて熟成が進み、オススメできる仕上がりになってきた。特に400Rからニスモ(NISMO)にかけての高性能バージョンは、V37の“眠らされていた”ポテンシャルを見事に呼び覚まし、クルマ運転好きにもってこいのスポーツセダンになっている。

エンジンGT500レース用エンジンの開発者がその設備を用いてチューンした3リッター V6ツインターボエンジンを搭載。

 スカイラインの主力エンジンがV6となったのは2001年に登場したV35からのこと。つまり21世紀のスカイラインはずっとV6メイン(ベンツ製直4もあったけど)というわけで、高性能シリーズにももちろんV6エンジンをチューンアップして積んでいる。最新モデルのそれは3リッターのツインターボで、ニスモ用は420ps/550Nmとかなり強力。

 そもそもニスモとは日産ワークスのレーシングファクトリーで、モータースポーツ活動を担ってきたブランド名だ。その名を市販車におごるということはニスモが専用にエンジンやミッション、足回りをチューンし、エアロダイナミクスを鍛え上げていることを意味している。見た目も中身も硬派なスポーツセダン、というわけで、限定1000台の生産とした。