京華学園一昨年迎えた学園創立125周年を機に進められていた京華女子の新校舎も竣工し、系列3校が同じ敷地に集まることになった京華学園(東京・文京区)

前回は、首都圏中高一貫共学校の新校長人事を見た。今回は男女別学校である。女子校が多く、うち2校は校名変更、男女共学化に踏み切る流れだ。2024年の新校長にとって、志願者を維持・増加させることが大きなミッションとなりそうだ。(ダイヤモンド社教育情報)

男子中高一貫校の新校長

 前回は共学校を取り上げた。今回は男女別学校である。中高一貫校の校長の定年は65歳もしくは70歳のところが多い。60歳で定年となった公立高校の校長が、私立校の校長職に就く傾向は昔からよくあった。 

 ここ数年目立つのは、70歳を過ぎてから新たな学校の校長に就く例が見られることだ。高齢化の進行なのか、余人をもって代えがたいのか、まだまだ元気でやる気に満ちているのか、理由は人それぞれなのだろう。また、外国人校長も目に付くようになってきた。国際化や多様性確保の動きを反映したものなのか、新味を出したいという理事会の意向なのだろうか。

 東京の男子校では、豊島区にある2校で校長が交代した。高松松平家当主が創立した本郷は、今では難関校の併願先として多くの受験生を集めている。10代目となる新校長の木村友彦氏は国語科教員で、教頭、副校長を経ての就任である。8年間校長を務めた佐久間昭浩氏の後を継ぐ。立教大学と同じ池袋キャンパス内にある立教池袋では、豊田由貴夫氏の任期満了に伴い、吉野光氏が新校長となった。

 神奈川でも鎌倉市にある二つの男子校で新校長が誕生した。栄光学園は同校卒業生で、副校長の柳下修氏が昇格した。鎌倉学園は教頭の武田隆氏が昇格した。武田氏は高校の野球部を32年間にわたって指揮してきた監督として全国的な知名度がある。前任の松下伸広氏は2年で交代となった。

 男子校の校長交代は少なかったが、ここで東京にある二つの女子校を取り上げたい。いずれも共学化し、校名も変更される流れとなっている。東京女子学院(練馬区)は25年度から英明フロンティアに校名を変更する。まず高校が共学化し、中学での男子生徒の募集は26年からを予定している。新校長の大井俊博氏は剣道七段の保健体育科教員で、都立鷺宮と都立両国の校長を経験、昭和学院(千葉・市川市)の校長を経ての就任となった。

 系列に東京女子体育大学(国立市)がある吉祥寺の藤村女子(武蔵野市)は、学校法人井之頭学園理事長で、創立者一族の高橋あゆち氏が校長も兼任することになった。体操選手を輩出してきた女子校から、共学化を目指している。校名変更や共学化も辞さない覚悟で学校の大改革を行っている最中であり、どのような学校に変わろうとしているのか、今後の方針表明が待たれる。