2トンを超えるEVを巧みに
コントロールする制御技術

 次に、袖ケ浦フォレストレースウェイのメインコースを走った。

 ステアリング周辺にある、ドライビングモードスイッチや、N Active Sound+などの切り替えながら、さまざまな楽しさを体験することができた。

 総じて、ジャジャ馬という印象はない。多くの人にとって扱いやすい、ハイパフォーマンスカーだといえる。

 その背景には、2トンを超える車重に対してホイールの加速度センサーと6軸ジャイロセンサーからのデータでコントロールする大容量可変ショックアブソーバーや、左右後輪に最適なモーター出力の伝達を可能とする「N コーナーカービング・ディファレンシャル(e-LSD)」、さらにN専用の回生ブレーキなどさまざまな技術がバックアップしている。

 ただし、前述の数字が示しているような、量産型EVとしては極めて高い動力性能があることは忘れないでほしい。

 特に、最大出力478kWとなるNGBでの、極めて伸びやかな加速感は至極刺激的である。

社内の様子高出力でも扱いやすく、さらに刺激的なサーキット走行を楽しんだ。車内の様子 Photo by K.M.

 今回の試乗は、朝から昼過ぎまでの半日の体験だったが、IONIQ5 Nに搭載された数多くのヒョンデ独自技術を十分に理解するには少し時間が足りなかったと思う。

 6月5日に日本国内での販売開始以降、またじっくりと走らせたい。

 なお、4月25日から先行予約のFirst Editionを限定50台用意した。現時点で公表された価格は、900万円台とのこと。5月には、関東と関西で一般ユーザー向けの試乗会「Track Day」も予定している。