「たった1枚の領収書」で1000万円超の節税も!不動産の相続で絶対に忘れてはいけないことPhoto:PIXTA

親が持っている不動産をいずれ相続する見込みがある場合、まず準備しておくことは何だろうか。相続税額をどうカットするかは、相続人たちの最大の関心事だが、それを左右する決定的な書類について、実は多くの人は関心が低い。親が健在なうちにしっかり用意しておくべきその重要書類とは…!? ※本稿は、内藤 克『残念な相続〈令和新版〉』(日経プレミアシリーズ)の一部を抜粋・編集したものです。

不動産を売って相続税を工面すると
譲渡所属税も発生してしまう

「先生、実は相続税が払えそうもないので親から相続した土地を売却しようと思うんですが」

「うーん。まずは他の方法を考えてみましょう」

「なぜですか?」

「相続税を払うために相続財産を売却した場合は、所得税も取られちゃうんですよ」

「相続税」は相続時の価格に対して課税されます。一方、「所得税」は被相続人(例:親など)が購入した金額と相続人(例:子など)が売却した金額の差額(キャピタルゲイン=値上がり益)に対して課税されます。そのため相続税を払う目的で相続財産を売却しても、所得が発生していれば所得税は課税されてしまうのです。