システムや業務をつなぐ、ソフトウェア製品を提供するアステリア。常に上場企業初の試みを繰広げてきた創業社長が目指すのは、「物流・建設の2024年問題」に代表される社会課題の解決など、業務のデジタル化によるさらなる成長だ。日本のソフトウェア産業の国際競争力を高めることも長期目線の大きな目標だという。

どんな会社?

17年連続シェア1位* 基幹製品の導入社数1万社を突破!

 アステリアは、「ソフトウェアで世界をつなぐ」をコンセプトに、システムやヒト、モノをつなぐソフトウェアやサービスを開発・販売するIT企業だ。

 主力製品の1つ「ASTERIA Warp(アステリアワープ)」は、社内外のさまざまなシステムをつなぐソフトウェア。多様なシステムが相互に連携することで、スムーズなデータ共有を実現したり業務効率化を推進するためのツールだ。

 業務システムをつなぐといっても、それぞれ異なる形式でデータが保存され、通信形態も別々なので簡単なことではない。「ASTERIA Warp」は、こうしたシステム間で異なる“ルール”を包み込み、まるで翻訳者のような役割を果たしながら、さまざまな形式で保存されたデータや通信形態が異なるシステムでも簡単に接続できる。つまり、導入企業は大規模なシステム刷新を行うことなく、今あるシステムをそのまま使いながら、社内外のシステムとのデータ連携が可能となるわけだ。

 そのコスト面や機能面での優位性が評価され、「ASTERIA Warp」はデータ連携ツールとして17年連続国内シェアナンバーワン*を獲得。導入社数は1万社を突破した。

 もう1つの主力製品「Platio(プラティオ)」は、スマートフォンやタブレット端末で使う業務アプリが簡単に作れるツール。プログラミングの知識がまったくないビジネスパーソンでも、業務を効率化するアプリを3日程度で簡単に作成できる。

*出所:テクノ・システム・リサーチ「2023年ソフトウェアマーケティング総覧 EAI/ESB 市場編」。

top interview

日本のソフトウェア産業の国際競争力を高めたい

アステリア 代表取締役社長/CEO
平野洋一郎(ひらの・よういちろう)

当社は、常に新しい時代を創り続けてきました。たとえば、98年の創業時から2名の社外取締役を任命し、上場後は過半数を社外取締役としていることもその1つです。

 新しいことに挑むだけでなく、それを世の中に普及させることにも力を入れています。「ノーコード」は、当社製品の特徴の1つですが、これを日本に根付かせるため、サイボウズなどとともに発起企業として「ノーコード推進協会」も設立しました。

 ソフトウェアは、資源に乏しい日本でも世界に貢献できる輸出品の1つです。企業としての成長はもちろんですが、日本のソフトウェア産業の国際競争力を高めることにも注力し続けたいと考えています。