「『団地キッチン』田島」に、各拠点のコミュニティマネージャーが集合。左から、「『読む団地』ジェイヴェルデ大谷田」担当の菅谷和真氏、髙木俊輔氏、「『団地キッチン』田島」担当の上野雅佐和氏、「J Smile 多摩八角堂」担当の竹場奈津子氏、柴﨑達也氏

日本総合住生活(JS)はUR都市機構等の集合住宅を管理する会社。近年は団地エリアのコミュニティ再生に力を入れている。2016年に開始した「団地×コミュニティ拠点」の事業では、「食」や「本」をテーマにコミュニティ形成を支援。その活動の内実を聞いた。

 JR武蔵野線の西浦和駅から徒歩2分。田島団地に隣接した建物の1階に、日本総合住生活(以下、JS)が運営する「『団地キッチン』田島」がある。銀行をリノベーションした開放感のある空間に、カフェやシェアキッチン、ブルワリーを設置。団地や地域の人々がカフェに集い、シェアキッチンでは料理教室やワークショップが行われ、月1回は地元・埼玉の旬の産物を楽しむ「団地キッチンマルシェ」も開催。農家直売の野菜やクラフトビールなどが販売されている。

「団地キッチン」田島
カフェ、シェアキッチン、ブルワリーの三つの機能が互いに作用する「食」の複合施設

「"作る・食べる・知る"ことを楽しめるコミュニティ拠点として2022年8月に開設しました。"食"は誰にとっても身近なコミュニケーションツール。気軽に立ち寄れるカフェを入り口に、食に関する多様なニーズに応えながら、人々の交流を生み出そうと考えたのです。開設から1年が過ぎましたが、西浦和のシンボル的な施設として、団地にお住まいの方をはじめ周辺地域の方々の利用も増えました。地域の活性化に大きな役割を果たしていると実感しています」と語るのは、同社の上野雅佐和コミュニティマネージャーだ。

 かつては憧れのブランドだった団地をいかによみがえらせるか。JSは団地エリアのコミュニティ再生に力を入れる。次ページからは、その具体的な方法を紹介する。