iDeCoでよくある「10の誤解」…損得に大差!商品・金融機関の選び方も激変写真はイメージです Photo:PIXTA

iDeCo(個人型確定拠出年金)について、私のところに寄せられる様々な人からの質問を見ていると、案外、多くの誤解があるようです。よくある誤解について、10項目に分けて解説していきます。(確定拠出年金アナリスト 大江加代)

※この記事は『新NISAとiDeCoで資産倍増 人生100年時代の新しいお金の増やし方』(大江加代・日経BP社)から一部を抜粋・再編集したものです。

iDeCoにまつわる「10の誤解」
あなたは大丈夫でしょうか?

【誤解1】
60歳まで引き出せないのはデメリット

 iDeCoはあくまでも老後資金を準備するための制度です。60歳より前には色々なライフイベントがあって、その際に少しまとまった金額になっているiDeCoの資金を使いたい衝動に駆られることはあると思います。

 しかし、そこで使ってしまったら60歳の時には当然ですがその資産はありません。同じ額を準備しようとすれば、使ってしまった後、生活資金の中からこれまでよりもっと多く積み立てをしていく必要性に迫られます。

 老後のお金の準備は大事だと分かっていても遠い将来のことなので、目先のこと、目の前に迫っている資金ニーズに比べれば軽く考えてしまいがちです。そういった人間の思考を踏まえて、後悔しないように、iDeCoには障害や死亡といった特別の事情がない限りは60歳までは引き出せないという仕組みが制度にビルトインされています。老後資金を予定通り準備するためには、むしろメリットと言えると思います。

【誤解2】
誰でも65歳まで加入できるようになった

 そうではありません。iDeCoの加入資格の要件である国民年金被保険者として国民年金の保険料を払っているのは、65歳未満の会社員・公務員で厚生年金保険料を払うような働き方をしている人と、それ以外の働き方または無職で国民年金に任意加入している人だけです。

 さらに、公的年金を繰り上げ受給しておらず、iDeCoの資金も一切受け取っていないという条件を満たしている必要があります。