韓国人男性が美容に自己投資する文化的背景、「グルーミング族」をカリスマ美容師が証言日本でもファンが多い、韓国ブランド化粧品の店舗が並ぶ韓国の街並み (写真はイメージです) Photo:PIXTA

美容の国・韓国において、自分の外見を整えることに投資する男性を指す造語「グルーミング族」。韓国では今、世代を問わずメンズ美容の波が広がっている。その背景や、韓国ビジネスパーソンたちのリアルな美意識とトレンドについて、美容のプロとして日韓を行き来する韓国人ヘアアーティスト・GUNHEE(ゴニ)氏に聞いた。(取材・文/コスメライター haru)

若者だけのものではない
韓国の「メンズ美容」

 昨今のビジネスシーンにおいて、清潔感や場に適した身だしなみなどの外見的要素は軽視できない。特に韓国においてはその傾向が顕著だという。

 これまで韓国で数々の芸能人のヘアメイクを担当してきた実績を持ち、現在は日本でも美容室を展開するヘアアーティストのGUNHEE(ゴニ)氏に、現地の状況を聞いた。

「昔から、礼儀正しい態度や言葉遣いだけでなく、清潔な外見や適切な服装といった要素も、韓国の社会やビジネス文化において、信頼と尊重を表す重要な部分になります。それが、韓流アイドル人気などもあって、より外見に気を使う男性が増えてきたのです」

 韓国では年代問わず、男性も月に1度は美容室に通い、週2〜3回のジム通いをするのが一般的な感覚だという。韓国で毎年発表されている調査「男性グルーミングトレンドレポート2022」によると、40代男性で「月に1回以上、美容室に行く」という人の割合は6割を超えている。

 同レポートは、20〜49歳の男性1000人にインターネットでアンケートをとったもので、スキンケアから髭や髪のケアまで、男性の外見管理への関心を幅広くまとめている。

 さらに同調査で興味深いのは、40代男性における化粧品の利用状況だ。