デロイト トーマツ コンサルティングPhoto:NurPhoto/gettyimages

コンサルティング需要の高まりを背景に、アクセンチュアやビッグ4といったコンサル大手は激しい人材獲得競争に明け暮れてきた。ところが、ここに来て変化が生じている。ビッグ4の筆頭、デロイト トーマツ コンサルティングなどで採用ペースが変調を来しているのだ。長期連載『コンサル大解剖』の本稿では、アクセンチュアとビッグ4の最新の人員数を完全公開。デロイトなど大手ファームの足元での採用実態を明らかにする。(ダイヤモンド編集部 名古屋和希、山本 輝)

デロイト「5年後に1万人」構想も
コンサル人材採用バブルに異変!?

 近年、日本では企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資が伸び、コンサル需要が急激に高まってきた。市場の急拡大は採用バブルを生み出し、コンサル大手がこぞって新卒や中途の採用を増やし、待遇面も充実させてきた。

 その最右翼がコンサル業界で最も急成長を遂げてきたアクセンチュアだ。同社は2022年末時点の社員数を約1万9000人と公表していたが、今春にすでに2万人の大台を突破したもようだ(『アクセンチュアは社員2万人突破、外資・日系コンサル17社の人員体制を全公開【独自入手】』参照)。同社では、14年からの約8年間で人員体制が4倍に膨張した計算となる。

 また、ビッグ4の筆頭、デロイト トーマツ コンサルティングも大増員計画を打ち出した。22年春、デロイトの採用担当の役員はダイヤモンド編集部の取材に対し、当時4000人規模だった体制を、子会社なども含めたグループ全体で「5年後に1万人」にする構想を披露していた(『デロイトのコンサル採用責任者が初激白、「5年後に1万人」大増員計画と人材引き止め策の全貌』参照)。

 各ファームの人材獲得競争の激化で空前の採用バブルに沸いてきたコンサル業界。しかし、足元では異変が生じている。ある転職エージェントはこう打ち明ける。「大手の中に、採用にブレーキをかける動きが出ているようだ」。

 では、コンサルの採用動向は足元ではどうなっているのか。次ページでは、ダイヤモンド編集部の独自取材を基に、デロイトなど大手ファームの採用実態を明らかにする。また、編集部が入手したアクセンチュアやビッグ4の主要5ファームの最新の人員数を公開。半年前の4月時点の人員数と比べ、人員規模の変化も示す。データからは、採用バブルの異変が浮き彫りとなった。