国会議事堂Photo:PIXTA

GX推進法が可決・成立
排出削減が進むかどうかは不明

 脱炭素を進めるためのGX推進法が、5月12日に衆院本会議にて可決・成立した。

 補助金による産業の脱炭素化支援や、炭素賦課金などの将来のカーボンプライス導入の枠組みが作られたわけだが、これで2030年に13年比で温室効果ガスを46%削減する日本の目標実現が確実にできるようになったわけではない。

 むしろ実効や成果が本当にあがるのか、きわめて怪しいのだ。

 不思議なことに、GX推進法で日本の温室効果ガス排出がいくら削減されるのかを政府は一切明らかにしていない。

「EBPM(Evidence Based Policy Making):証拠に基づく政策立案」が言われて久しいが、この法律がもたらす排出削減効果、経済影響について、確たる証拠は何も提示されていない。

 産業補助金をどのような脱炭素技術や製品・サービスを確立し、将来、どれくらいの市場シェアを目指すのかも具体的になっていない。

「GX推進法」では、脱炭素に向けた競争で日本は世界から大きく取り残されるだけでなく、日本の国際的評価を低下させる懸念がある。