元日テレアナ・魚住りえが教える、人を引きつける「いい声」を出す“シンプルな練習法”とは?フリーアナウンサーの魚住りえさん。長年「声」に関する仕事に携わる 写真提供:本人

4月は新入社員が入ってきたり、新しい部下ができたり、何かと若い世代とコミュニケーションを取る機会が多い時期。改めて、世代間のギャップにさいなまれ、どう接するべきか、どう話しかけるべきか、戸惑っている人も多いのではないだろうか。そんなビジネスパーソンを助けるべく、フリーアナウンサーで、長年話し方の講師として活動している魚住りえさんに「コミュニケーションを円滑にする話し方」を聞いた。(取材・文/フリーライター 友清哲、ダイヤモンド・ライフ編集部)

世代間ギャップに悩むビジネスパーソンたち

――魚住さんが「話し方」の講師として接してきた40代、50代のビジネスパーソンからは、最近どのような悩みが多く聞かれますか?

 40代、50代となると、それなりにいろいろな場面でお話をされてきた方が多いので、緊張してしゃべれないとか、声が震えてしまうといった悩みは少ない印象です。それよりも最近本当に増えたと感じるのが「自分の言うことが若い世代に理解されない、刺さらない」といった悩みです。

――つまり、「しゃべり方」というよりも「若い世代とのコミュニケーション」に悩まれている人が多い、と。

 そうですね。大きくくくれば、「コミュニケーション」の中に「話し方」も含まれると思いますが、40代、50代はZ世代の部下を持つ方も多く、世代間のギャップはやはりあるようです。どうも自分の話し方そのものに拒絶感を持たれている気がする、というコミュニケーション全般の悩みですね。

 私自身、「聞いて心地いいしゃべり方」に気をつけるべきだと発信してきましたが、ここ数年はプラスアルファの気遣いが必要なのだと強く感じています。当人はただ堂々と話しているつもりでも、ある日突然、上司から呼ばれて「君の口調は厳しすぎる。部下たちが怖がっているらしいよ」などと忠告されて落ち込んでいる方は、意外と少なくありません。

 例えば、40代、50代はとにかくたくさん働くのが正義とされてきた世代ですが、今の世代はちゃんと休みたいという思考が主流です。そういった、働き方に対する考え方の違いも原因の一つかもしれませんが、なかなか一体感が生まれず、どう接していいのかわからない、となってしまうわけです。

――やはり世代の違いは大きいですね。

 いまは圧の強いしゃべり方ではなく、一人ひとりに小さな球を渡すような、優しい感じで話したほうが、受けが良いのは事実でしょう。

 ただ、例えば披露宴での主賓のあいさつや、大勢の前でプレゼンするときなどは、大きな球を一番後ろの人に投げるくらいの迫力がないと伝わりません。

 要は、時と場合によってしゃべり方に強弱をつけるのが大切で、「柔らかい」「強い」「迫力がある」の3段階くらいを使い分けるといいかもしれません。