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もうすぐ定年、でももうしばらく今の会社で働き続けたい……そう考えている人は多いのではないでしょうか。しかし、定年の前と後では、働き方や労働条件が変化します。本連載では、定年前後の働き方にまつわる情報を、厳選して掲載していきます。(社会保険労務士 佐佐木由美子)

*本記事は、佐佐木由美子『1日1分読むだけで身につく定年前後の働き方大全100』(自由国民社)を再編集したものです。

定年で労働条件がリセットされるってホント?

「定年」とは、労働者が一定の年齢に達したことを退職の理由とする制度。企業が定年を定める場合は、60歳を下回ることはできず、定年年齢を60歳と定めている企業が多数派です。定年を65歳未満と定めている企業では、65歳までの高年齢者雇用確保措置が義務付けられており、今や多くの方たちが定年後も継続雇用を希望して働いています。

 そこで気になるのが、給与をはじめとする労働条件ではないでしょうか。定年後、同じ会社で再雇用される場合、それまでの労働条件はリセットされ、新たな労働契約を結ぶことになります。これは合法であり、多くは「嘱託社員」として、有期労働契約で働くことに。

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 現役時代と比べ責任の度合いや仕事内容などから、およそ9割の人が給与が下がっている状況がうかがえます。定年前とほぼ同様の業務を行っていながら、給与だけ引き下げられるケースも。同一企業内における正規雇用労働者と非正規雇用労働者との間の不合理な待遇差の解消を掲げる「同一労働同一賃金」がさらに進むことを期待したいところです。

 新たな労働契約を締結するに当たり、希望の給与額について交渉することは可能です。労働条件について、自分が会社に貢献できることなどアピールしたうえで、給与交渉をしてみることを検討してみましょう。

【10秒チェック!】再雇用によって労働条件はリセットされ、給与が下がるケースがほとんど。学び直しなどでアピールポイントを増やせるようにしておきましょう。