親世代が驚く「子の就活」の変化、知らないと付いていけない今時ルールと採用環境就活に関する親と子の価値観には、想像以上に開きがある(写真はイメージです) Photo:PIXTA

2025年卒の学生を対象にした、企業の採用広報活動が解禁される3月が迫ってきました。就職・採用に関する調査、分析を行う、リクルート就職みらい研究所所長の栗田貴祥氏が、就活の最前線を語る連載の第14回。今回は、変化する就活のルールや環境、学生の置かれている状況などについて解説する。(リクルート 就職みらい研究所 所長 栗田貴祥)

就職活動の早期化、
長期化がますます顕著に

 保護者(親)世代が経験した就活と、今の学生が経験する就活は、その手法やスケジュールにおいて大きく変化しています。25年卒学生の就活が本格化する今、何がどう変わっているのか。保護者世代が知っておくべきルールを確認していきましょう。

 まずは、就活の全体スケジュールや進め方について見ていきます。

 2023年12月8日に政府から出された考え方「2025 年度卒業・修了予定者の就職・採用活動日程に関する考え方」にもあるように、就活スケジュールの基本ルールは以下のようになっています。

・採用広報の開始は卒業・修了年度に入る直前の3月1日以降
・採用選考活動開始は卒業・修了年度の6月1日以降
・正式な内定日は卒業・修了年度の 10 月1日以降

 ただ、大学3年生(修士1年生)の6月あたりから、多くの学生は企業が実施するインターンシップなどのプログラム内容を調べ始め、応募に向けた準備を進めます。

 就活が本格化するのは、3月1日の「採用情報の広報解禁」日以降。ここから企業は学生にアプローチすることが認められているため、学生からの応募受け付けをスタートします。「選考解禁」日は6月1日ですが、それ以前から内定を出したり、「面談」という名で実質的な面接を進め、6月1日より最終面接という形で学生にアプローチし「内々定」を出したりする企業も少なくありません。実際に、24年卒の6月1日時点での就職内定率は79.6%と、現在と同様の就活スケジュールとなった2017年卒以降、最高値となりました。

 つまり学生は、早い人だと夏のインターンシップなどのプログラムに参加する3年生の6月頃から、実質的な内定を獲得する4年生の6月頃まで、1年以上を就職活動に費やすことになるのです。