「『全てがどうでもよくなる』という自己破壊型な人に処方せんがあります」
そう語るのは、これまでネット上で若者を中心に1万人以上の悩みを解決してきた精神科医・いっちー氏だ。「モヤモヤがなくなった」「イライラの対処法がわかった」など、感情のコントロール方法をまとめた『頭んなか「メンヘラなとき」があります。』では、どうすればめんどくさい自分を変えられるかを詳しく説明している。この記事では、本書より一部を抜粋・編集し、考え方次第でラクになれる方法を解説する。(構成/種岡 健)

「全てがどうでもよくなる」→人気の精神科医が教える“自己破壊型な人への処方せん”とは?Photo: Adobe Stock

自分を傷つけてしまうとき

 あなたには、「自分を傷つけるような行為をやめられない」というときがありませんか?

 自傷というと、いわゆるリストカットをイメージするかもしれませんが、それだけではありません。

・過度な飲酒や喫煙
・極端に食事の量を減らしたり増やしたりする
・仕事のプロジェクトを自分から潰してしまう
・あえて自分を傷つけるような相手と交際してしまう
・仲のよかった友人や家族との人間関係を壊してしまう

 そういった、自らに苦痛を与えるとわかっている行為は「自己破壊型」のメンヘラっぽさです。広い意味での「自己破壊欲求」が強すぎる瞬間です。

絶対に使ってはいけない言葉

 じつは、軽い自己破壊欲求は人間ならば誰しもが持っています。

 たとえば、太るのをわかっていて甘いものを食べてしまう瞬間がありますよね。
 あるいは、時間のムダだとわかっているのにスマホゲームに課金することもあるでしょう。
 このように、自分にとって不利益にしかならないとわかっていることでもやめられない、そんな欲求の裏には軽い自己破壊欲求があるのです。

 ただ、自己破壊欲求は個人によって差があります。
 社会の規範を逸脱しない程度であれば認められるのですが、個人、あるいは他人に害が及ぶほどの影響を与えてしまったときには、修正が必要になります。

 そのときに、絶対に使ってはいけない言葉が、「もう二度としない」「もうしないと約束してください」などの突き放す言動です

 自己破壊的な行動は、すぐにやめられたら苦労しません。
 多くの場合は繰り返してしまいます。

「もうしないようにしよう」と、いくら強い意思で止めようとしても止められません
 それを繰り返すせいで、「約束を守れないなんて、自分はなんてダメなんだろう」という自責感が生じてしまうのです。

 では、どんな考え方をすればいいのでしょうか?