東証「PBR1倍割れ」改善策、投資家も企業も用心すべき自社株買いの盲点Photo:PIXTA

東証が市場改革に本腰
PBR1倍下回る企業に改善策求める

 東京証券取引所は株式市場の評価が低い企業、具体的にはPBR(株価純資産倍率)が1倍を下回っている企業などに、株価水準を引き上げるための具体策を開示・実行するよう要請した。

 市場の活性化を狙って2022年4月に実施した市場区分見直し(プライム市場など)の実効性を高めるための有識者会議(フォローアップ会議)が提言したのを受けたものだ。

 企業側は、収益力を高めたり自己資本を圧縮したりするなどで株価を高める取り組みを待ったなしで求められる。

 企業には経営合理化の背中を押されることになり、投資家にとっても一見、悪いことではない。

 だが、やり方によっては一時的に株価は上がっても、既存株主がむしろ損失を被ったり、将来、株価がむしろ下がったりということになりかねず、注意が必要だ。